芳菲ー春三句



菜の花や目眩すれど掌に

夕刻は未だ足早に花冷え

分度器の三十度に満たぬ春かな




春はノロノロと足取り重くやってくる。

ふたたび春というものが南から巡ってきて
まずはそのことにそっと感謝を捧げておく。
もっとも年をさらに重ねるということに対して
そんな殊勝な気分ばかりでは済まされない厄介事。

それは避けがたい事実としても
この眩暈を催す季節の
美しいものに目を向けるという行為を
自分から捨ててしまう必要はないだろう。


photo:kaori in the right room



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