律動


見渡せば花も紅葉もなかりけり
浦のとまやの秋の夕暮
-藤原定家-


人生の秋。
肉体という器が次第にその声を失いつつあるのに
美の残酷な律動と結びついたサディズムだけは
なお僕の血の奥で眠らずにいる。
それは衰えゆく肉よりも魂の最奥に根づく異端の華。
善悪の秤を逸脱した冷ややかな快楽。


ーsayokoー

コメント

メッセージフォーム

名前

メール *

メッセージ *