静寂の寓話ーSarahMoon


 
薄暗い風景に浮かぶ白い肌。
静寂に包まれたサーカスの道化師。
彼女の描くのは子供の頃に見た恐ろしい夢のよう。
眼を背けることのできない暗闇と怪物の存在。

*

自らモデルであったサラ・ムーンは消費される存在
としての女性を否定し自身のための作品を制作。
朧げな被写体、誰でもない女、何処でもない地平線。
モデル時代の孤独感、女性としての生き方の制約、
失われていくものへの哀惜を美しい画面に閉じ込めて。




サラ・ムーン(Sarah Moon, 1941-)
フランスを拠点に活動する写真家・映画監督。
もともとはファッションモデルで1970年代から写真家へ転向、
ディオールやシャネルなどのファッション広告で注目される。



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