非日常のレッスン

 

白百合や嬌声あれどもなほ麗し

不思議と澄んだ心持ちで彼女の肢体を見る。
それは単純な情欲ではない気がしている。
何か宗教的なものに近いひとつの「形式美」。
手首を細く縛る縄。
――あれが肌に残すわずかな痕を眺めていると
そこに私の美意識の核心を
感じないわけにいかない。
彼女は目を閉じて何も言わず静かな呼吸で、
そのたびに胸の丘陵がかすかに上下する。
私はそれを見つめて世における
「信」と「服従」とが
如何に
清らかな形式を取り得るかを思う。

人はしばしば、
こうした行為を卑しいものと見なす。

だが、私は思う。
真に美しいものは常に危うい均衡の上に
成り立っている――と。
痛みと悦び、羞恥と誇り、支配と慈しみ、
そのすべてが一点に集まるその瞬間、
私の瞳がかえって清冽な光を放つのを感じる。
あの静寂のなかで私と彼女との間に流れるもの。

それは決して言葉にはならない。
しかし確かにもっとも純粋な美の一滴である。


-sayoko-

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