素描家のこと-ホルスト・ヤンセン

画家になれるものなら、誰になりたいか、
答えなければならない場面があるとしたら、
ほとんど考える暇もなく彼の名を口にする。
おそろしく嘲るように笑いしかもその笑いの奥に
消え残るエロスは妙に乾いていて、
消え残るエロスは妙に乾いていて、
誰にも従わない自由だけが最後まで残る。
世間では困った老人と呼ばれたとしても
不思議ではないが、
不思議ではないが、
その困り方こそが魅力なのだ。
北斎を夢見ながら、
結局は優等生にはなれなかった素描家。
その手が紙の上をかすめるたび、
描かれたものは善悪の境界を軽々と飛び越え、
どこか愉快な悪戯のような、
小気味よい悪へと変わってしまう。
悪とはあんなふうに身軽であってもいい。
Horst Janssen's catalog, cover
コメント
コメントを投稿