山茶花の紅きを問ひ花ざるものに突く花の器は溢れ*
山茶花の紅は、痛みの色。美しい器へそれを突き立てる瞬間、身体は言葉の外へと零れ落ち、器の縁を越えて沈黙が溢れる。
彼女はその沈黙をひとつの美として見ている。責める指の硬質な意志と受ける肌の柔らかな頑なさ。それらが交差するとき倫理は不在になりただ美としての痛みだけが残る。その均衡が壊れぬように彼女は息を止める。そして世界が一瞬だけ紅の内部に沈む。
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