写真と法悦-サイ・トォンブリィ

 


生殖を未だもてあます山女かな

美術家、サイ・トゥオンブリィ。
ドローイングという名の証跡で
世界に記憶された人。

晩年に遺されたあの静かな写真たちは、
幸福と呼ばれる場所に身を置いていたのだろうか。

日常の輪郭は溶けわずかにずれ、
色だけが理由もなく溢れ出す。

チューリップ
絵具と筆
海岸の光
彫刻の沈黙

視線は眩暈を孕み、
見るという行為そのものが
均衡を失っていく。

あらゆるものが意味から解き放たれ、
恐ろしいほどの法悦に静かに溺れている。

それは破壊ではなく救済でもなく、
ただ世界が世界であることを
やめてしまった瞬間の記録のよう。

Cy Twombly、1928.4.25 - 2011.7.5

Photo Catalogue of Cytown
at Kawamura Memorial Museum of Art

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