夜半に耽美のことを


深緑夜のテーブルに胡桃裂け


澁澤龍彦。
彼を知ったのは10代後半のこと。
耽美であった。
中世の闇、絵画の恍惚、心に巣食う怪物。
すべては美に還元され、
若き心に楔を打っていた。

 自身のサディズムを知ってからは、
おそらくは僕にとって理性の象徴である。
どれほどのエロス(生)を纏わせていても
理性を通過させなくてはならない。
美とは形式なのだ。
美には独自の掟が必要なのである。
放蕩には意思がなくてはならない。


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