境界


ー事象そのものー
自身と自身以外との関係、主観と客観の信憑性。

フッサールは
「事象そのものへ」と言った。
けれど事象は触れようとした瞬間に
すでにわたしの体温に相似する。

自己と自己でないもの。
主観と客観。
その信憑性は呼吸ほどにもろく、
視線ほどにも曖昧だ。

わたしはあなたを見る。
あなたはわたしを見る。
その往復のあいだで
意味は剥がれただ行為だけが残る。

わたしは鞭を振るい、
あなたは鞭に身を委ねる。
けれど痛みはわたしの内部で震え、
歓喜はあなたの内側で熱を帯びる。

痛みと喜びは
いつのまにか交換され
誰の感覚だったのか
もう区別できない。

―わたしたちの身体の境界は
いったい、どこにあるのだろう。

光はあなたを照らし、
闇はあなたを抱きしめる。
そしてそのどちらも
わたしの内側で
静かに反射している。


ーsayokoー

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