若い頃から自分の身体の脆さには
気づかぬふりをしてきた。
肉体とはどこか後ろめたい
触れれば崩れそうな“悪”そのものだと
思っていたのだ。
自分の身体を愛せないなら
他者の身体にも同じ距離しか持てない。
そんな停滞を破ったのは
美術という名の深い沼に足を
取られたときだった。
作品をむさぼるように眺め続け
ついにヱゴン・シーレに出会った瞬間、
世界がひりつく音を立てて裂けた。
ああなんと痛ましく
なんと美しく歪んだ肉体だろう。
醜さをそのまま晒し
なお作品として屹立している。
おそらくあのとき
私の中の“美”というカテゴリーに、
ひとつ禁断の枝が芽吹いたのだ。
リスペクト、シヰレ。
-selfieー
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