幸福論ー冬三句


蜜柑剥く指に宿りし幸福論

木枯しや束ねた白き腕を啜る

枯蓮や泣きはらしている水底





幸福とは
壮麗な理念でも約束でもなく
冬の午後
無言で蜜柑を剥くその指先に
ふと移ろい来る体温のことだ。
房を裂く微かな痛みと香りが
確かに生と性を肯定する瞬間。

コメント

メッセージフォーム

名前

メール *

メッセージ *