人は精神の領域において
歓びも苦痛も等しく同質の負荷として
受け取るのだとどこかで聞いたことがある。
しかも精神という厄介なものは
自ら進んでその泥沼へ足を
踏み入れたがる性癖を持つらしい。
マゾヒストとは他の誰よりも過剰に
世界を味わう存在なのではないか
という疑念が生じる。
苛めば苛むほど歓びを溢れている理由を
私は知りたくなる。
理屈では説明しきれないその秘密を。
飽くこともなく
貪欲な魂を宿したその瞳に
わずかな嫉妬を覚えながら、
私は音を立てぬように――
静かに鞭を振り下ろす。
そこには残酷さよりも
観察に近い好奇心があり、
理解したいという欲望だけが
冷えた手つきで反復されている。
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