午後三時


 冬の都会はあっという間に日が暮れてしまう。
わたしといえば、
いつまでも数えられない鉄路に沿って列車が行き来する風景を
眺めている。
灯りの反射が魂のように揺れている。
あなたとここで
好きな作家の本を話題に愉しんだのはいつのことか。
情熱だけでは生きることができた頃。

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