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ツキノヨルニ
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1月 10, 2021
春の宵
きつと、
あなたは思つてもゐなかつたのだらう。
あの美しい花の蕾がふいにひらくとき、
あまりに靜かで
あまりに殘酷な痛みが
指先の尖端をかすめるやうに訪れるなんて。
泣きじやくるほどの辛さのなかで、
小さな倒錯の死をいくつも拾ひ上げ、
それでもまた息をしてしまふ自分を
どこか他人事のやうに眺めてゐればいい。
春はまだ
はぢまりの呼吸をしてゐるだけなのだから。
photo:mayu
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