貪欲



いつしか夏の長い陽も落ちている。
僕自身が鞭の愉しみを覚えてまだ間もない頃。
彼女の身体は疲れを知らず快楽を
飲み込んでゆくこと、それは怖いほどに。
その貪欲はその柔らかき粘膜の何処に
隠されているのだろうか。
ひとしきり肌を蹂躙したのち、
僕の指は身体のあらゆるところを
探し始めていた。

photo:kaori